計量処理を Web で(重量値を扱う - その 1)

様々なソフトウェアがサービスとしての形態を模索している現在ですが、実現性が低い分野が存在するのも事実です。
私が仕事で携わることの多い計量処理も、その分野の一つだと思います。そこで、その計量処理を Web サービスとして提供する方法について考えたいと思います。
予め補足しますが、これはあくまで Web サービス化の手段を考察するものであり、実際の運用に耐えうることを保証するものではありません。

計量処理について

いわゆる計量処理は、あくまでもシステムの入り口にしか過ぎません。たとえば産業廃棄物の排出業者となる大手工場では、計量をすることで廃棄物の量を明確にし、管理業務を行うシステムにより、事務処理の軽減、さらには廃棄物の量を減らすという目的があります。
また、古紙等を扱う場合でも、計量したデータをもとに仕入・販売管理をすることが目的となります。
もちろん、計量に関する人的コストを削減することも、システム導入の目的の一つです。

Web サービス化への障害

このようなシステムを Web サービス化する場合、Web関連の技術が発展した現在では、管理に関する部分は十分可能ですが(通常のアプリケーションに見劣りする部分は依然ありますが)、その入り口である計量処理の部分がネックになっています。
ごくごくシンプルな計量を考えた場合、最低限必要な機器として、はかり(トラックスケールや台ばかり)と、それに付随する重量指示計があげられます。この重量指示計から受信された重量データを取得することが絶対の条件であり、ここがまさしく問題となります。
指示計からの重量値の受信は、RS-232C などのインターフェースを利用します。RS-232C を Ether にコンバートする機器もありますが、ローカルなエリアに存在する必要はありますし、仮想シリアルドライバを使用するにあたっては、同じことになります。
ここで改めて Web サービス化した場合の構造を考えてみます。全ての静的コンテンツとデータはサーバに保持され、クライアントの要求にしたがいコンテンツを提供します。そのやりとりは同期あるいは非同期ですが、あくまで提供されるのはサーバに保持されている情報のみであり、通常クライアント側の情報を利用することはできません。
その構造を基本的に変えることなく、クライアントサイドの情報(RS-232C で受信した重量データ)を取得する必要があるのです。


この問題について、次回以降のエントリで具体的に実現したいと思います。